昨日、(社)岐阜県経済同友会11月会員例会にて、小川和久さんの講演を聴講して参りました。
昨日は、小川和久さんの講演を聴講してきましたが、大変勉強になりました。
日本がどういう国として、生きていくべきか?
海洋国家として、海をどのように活かしていくのか、ビジョンがない!という、持論を交えて講演いただきました。
余談ですが、国賓として来日中のブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王とジェツン・ペマ王妃を招いた宮中晩さん会に欠席した一川保夫防衛大臣の話や宮中晩さん会に先立ち控えの間で開かれた立食形式のカクテルパーティーで蓮舫行政刷新担当大臣が携帯電話を使用したことなどの話がありました。
現役閣僚である蓮舫行政刷新担当大臣が宮中で携帯電話を使っていたなどということは非常識である!と。
ちなみに、宮中や総理大臣室まで携帯電話を持ち込みが認められている国は日本だけであり、危機管理が出来ていないとの指摘もありました。
全体を通して、以下のレジュメの3つから構成されていて、それぞれに非常に核心をついたお話を聴くことが出来ました。(レジュメ中の「→」印は、私の講演メモです)
繰り返しになりますが、大変勉強になりました。
皆さんも、興味のあります方は、レジュメだけでもご一読下さい。
◎講演(社団法人岐阜県経済同友会 11月会員例会 2011年11月18日 16:10~ 岐阜グランドホテルにて)
演題:「日本は国境を守れるか~激動する国際情勢と日本の安全保障」
講師: 小川和久氏(国際変動研究所 理事長。軍事アナリスト)
レジュメ(→は、私の講演メモです)
●日本の領土は61位だが、海が加わると「大国」になる→それも「海洋資源大国」になる
●EEZ+領海4,479,358K㎡(6位。中国は15位)、EEZ+領海+領土4,857,193K㎡(9位。中国は7位)
→今まで日本という国は、海に守られてきた。
→内弁慶にならず、愚直になって、外にモノ申していかないといけない。
→自国のことをもっと知らなければならない。
→基礎的な情報収集はしっかりした上で、やるべきことをしっかりやっていかないといけない。
(1)領土問題解決には順序がある
・順序は、尖閣→北方→竹島
・治外法権(公船の行動を規制できない)→国連海洋法条約、領海における外国船の航行に関する法律
・日中漁業協定(棚上げ部分)→中国漁業監視船の行動是認、EZ漁業法特例対象海域→中国漁船の創業是認
・尖閣→国際世論の包囲網、国内法整備(国境法、領海法も改正)、沿岸監視隊配備を同時進行で
・北方領土→「不法占拠」の言葉はおかしい、「軍事占拠」と「併合」で整理すべき
→中国との尖閣をめぐる交渉を例にとると、やるべきことは次の3つ。
中国のイデオロギーは、現在は共産主義ではなく、ナショナリズム!
①国際世論を作って、中国を包囲
②国内法を整理
③尖閣に自衛隊を置いて、実行支配
外務省はあくまで事務方、外交については政治家がやらなくてはダメ!
→上記、尖閣のあとは北方領土!
外交にあたっては、日本は目標そのものが低すぎるため、目指すべき目標を高くすべき!
2島返還の昭和31年の日ソ共同宣言が白紙なら、サハリンの南半分から千島列島全部を対象にしていったって良い。
→竹島問題は、より難しい。最終的にはお互いが領有権を主張せず、漁業権を折半とする等の落とし所ではないか。
(2)日本の防衛力の実像を知っていますか
・防衛力の現状認識(戦力投射能力なき軍事力を日米同盟で補完)---リスク高い自主防衛と核武装
・沖縄海兵隊の抑止効果---中台危機(中国の断頭攻撃)と北朝鮮の2正面
→日本の防衛力を語る場合、自衛隊(但し、自立出来ない状況あり)と日米同盟の両方を見るべき!
(米軍基地は日本に84箇所、自衛隊で使える場所を含めると134箇所。
インド洋までの地球の半分をカバー出来る米軍事力の80%を日本が場所提供している。)
→第5世代戦闘機のF35のコンピュータネットワーク性能は、F15の約10倍、イージス艦の約1.5倍の性能を誇るが、最終的に決めるのは政治!
(3)中国を安全で美味しい国にする(国防費の伸びだけ見るのは「木を見て森を見ず」)
・中国の「接近阻止戦略」「領域拒否戦略」---海軍力中心に強化しているが
・データ中継衛星の立ち遅れ---空母(運用はしんどい)、対艦弾道ミサイル(疑問多い)
・中国の「三戦」(世論戦、心理戦、法律戦)は戦わずして勝つ---孫氏の兵法---米国の「平時の戦い」
・脅威=相手の意思+(or×)相手の能力 中国大使の言葉
・脅威にしない外交=敵意を抱かない関係構築+軍事力構築(軍事的能力差の維持、同盟関係による封止)
・米国の「建設的関与」(constructive engagement)父ブッシュ、クリントン、息子ブッシュ、オバマ
・経済面では「美味しい中国」、軍事面では「危険でない中国」に変えていく戦略的取り組み
→エール大教授のブルース・ラッセル氏のデモクラテッィクピースという言葉を紹介、中国には日米同盟+米軍事力がストッパーの役目を果たす。
→国防に穴を開けたら絶対ダメ!きちんとした対応を!
以上
P.S.
昨日配布されました(社)岐阜県経済同友会11月会報(会報2011.11vol.312)の2ページ~4ページには、
私の 「随想第4回 『音楽と私』 」 が掲載されています。
※随想第1回は36ページ~38ページ、随想第2回は6ページ~8ページ、随想第3回は32ページ~34ページでしたが、2ヶ月前の9月会員例会は台風のため中止となったため、講演録がなく、上記1枚目の画像の小川和久さんの紹介ページをめくったら、すぐ次のページに掲載されていました。
日本がどういう国として、生きていくべきか?
海洋国家として、海をどのように活かしていくのか、ビジョンがない!という、持論を交えて講演いただきました。
余談ですが、国賓として来日中のブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王とジェツン・ペマ王妃を招いた宮中晩さん会に欠席した一川保夫防衛大臣の話や宮中晩さん会に先立ち控えの間で開かれた立食形式のカクテルパーティーで蓮舫行政刷新担当大臣が携帯電話を使用したことなどの話がありました。
現役閣僚である蓮舫行政刷新担当大臣が宮中で携帯電話を使っていたなどということは非常識である!と。
ちなみに、宮中や総理大臣室まで携帯電話を持ち込みが認められている国は日本だけであり、危機管理が出来ていないとの指摘もありました。
全体を通して、以下のレジュメの3つから構成されていて、それぞれに非常に核心をついたお話を聴くことが出来ました。(レジュメ中の「→」印は、私の講演メモです)
繰り返しになりますが、大変勉強になりました。
皆さんも、興味のあります方は、レジュメだけでもご一読下さい。
◎講演(社団法人岐阜県経済同友会 11月会員例会 2011年11月18日 16:10~ 岐阜グランドホテルにて)
演題:「日本は国境を守れるか~激動する国際情勢と日本の安全保障」
講師: 小川和久氏(国際変動研究所 理事長。軍事アナリスト)
レジュメ(→は、私の講演メモです)
●日本の領土は61位だが、海が加わると「大国」になる→それも「海洋資源大国」になる
●EEZ+領海4,479,358K㎡(6位。中国は15位)、EEZ+領海+領土4,857,193K㎡(9位。中国は7位)
→今まで日本という国は、海に守られてきた。
→内弁慶にならず、愚直になって、外にモノ申していかないといけない。
→自国のことをもっと知らなければならない。
→基礎的な情報収集はしっかりした上で、やるべきことをしっかりやっていかないといけない。
(1)領土問題解決には順序がある
・順序は、尖閣→北方→竹島
・治外法権(公船の行動を規制できない)→国連海洋法条約、領海における外国船の航行に関する法律
・日中漁業協定(棚上げ部分)→中国漁業監視船の行動是認、EZ漁業法特例対象海域→中国漁船の創業是認
・尖閣→国際世論の包囲網、国内法整備(国境法、領海法も改正)、沿岸監視隊配備を同時進行で
・北方領土→「不法占拠」の言葉はおかしい、「軍事占拠」と「併合」で整理すべき
→中国との尖閣をめぐる交渉を例にとると、やるべきことは次の3つ。
中国のイデオロギーは、現在は共産主義ではなく、ナショナリズム!
①国際世論を作って、中国を包囲
②国内法を整理
③尖閣に自衛隊を置いて、実行支配
外務省はあくまで事務方、外交については政治家がやらなくてはダメ!
→上記、尖閣のあとは北方領土!
外交にあたっては、日本は目標そのものが低すぎるため、目指すべき目標を高くすべき!
2島返還の昭和31年の日ソ共同宣言が白紙なら、サハリンの南半分から千島列島全部を対象にしていったって良い。
→竹島問題は、より難しい。最終的にはお互いが領有権を主張せず、漁業権を折半とする等の落とし所ではないか。
(2)日本の防衛力の実像を知っていますか
・防衛力の現状認識(戦力投射能力なき軍事力を日米同盟で補完)---リスク高い自主防衛と核武装
・沖縄海兵隊の抑止効果---中台危機(中国の断頭攻撃)と北朝鮮の2正面
→日本の防衛力を語る場合、自衛隊(但し、自立出来ない状況あり)と日米同盟の両方を見るべき!
(米軍基地は日本に84箇所、自衛隊で使える場所を含めると134箇所。
インド洋までの地球の半分をカバー出来る米軍事力の80%を日本が場所提供している。)
→第5世代戦闘機のF35のコンピュータネットワーク性能は、F15の約10倍、イージス艦の約1.5倍の性能を誇るが、最終的に決めるのは政治!
(3)中国を安全で美味しい国にする(国防費の伸びだけ見るのは「木を見て森を見ず」)
・中国の「接近阻止戦略」「領域拒否戦略」---海軍力中心に強化しているが
・データ中継衛星の立ち遅れ---空母(運用はしんどい)、対艦弾道ミサイル(疑問多い)
・中国の「三戦」(世論戦、心理戦、法律戦)は戦わずして勝つ---孫氏の兵法---米国の「平時の戦い」
・脅威=相手の意思+(or×)相手の能力 中国大使の言葉
・脅威にしない外交=敵意を抱かない関係構築+軍事力構築(軍事的能力差の維持、同盟関係による封止)
・米国の「建設的関与」(constructive engagement)父ブッシュ、クリントン、息子ブッシュ、オバマ
・経済面では「美味しい中国」、軍事面では「危険でない中国」に変えていく戦略的取り組み
→エール大教授のブルース・ラッセル氏のデモクラテッィクピースという言葉を紹介、中国には日米同盟+米軍事力がストッパーの役目を果たす。
→国防に穴を開けたら絶対ダメ!きちんとした対応を!
以上
P.S.
昨日配布されました(社)岐阜県経済同友会11月会報(会報2011.11vol.312)の2ページ~4ページには、
私の 「随想第4回 『音楽と私』 」 が掲載されています。
※随想第1回は36ページ~38ページ、随想第2回は6ページ~8ページ、随想第3回は32ページ~34ページでしたが、2ヶ月前の9月会員例会は台風のため中止となったため、講演録がなく、上記1枚目の画像の小川和久さんの紹介ページをめくったら、すぐ次のページに掲載されていました。
この記事へのコメント
ぜんちゃんの随想第4回『音楽と私』が、岐阜県経済同友会11月会報に掲載されていらっしゃるとのこと、素晴らしいですね。
随想、少し照れてしまいますね(笑)